テストというのは「いま必要とされている知識を覚えているか」が点数に直結します。
ただの確認作業でしかありません。
この「でしか」ないというのが、考え方として結構ポイントです。
テストの点数が上がらないことを深刻に考えてしまいがちですが、
要は覚えてればいいわけです、それ自体は難しいことではありません。
知識を入れるのが学習という理解をしている方が多いですが、
それだけではインプット作業のみです。
人間は昨日やったことを楽勝で忘れます。
忘れた時の対処(思い出す・もう一回インプットする)が大事です。
想起学習という言葉があります。
想起 = 思い出すこと / 前にあった事を、あとになって思い起こすこと
という意味です。
「そういえばあれなんだったっけな〜?」
というあの状態ですね。
紙に依存していない、頭の中だけで考えている状態。
これは知識の定着においてもすごく効果的です。
1つアウトプットの有効性が示された海外の研究例をご紹介します。
The Power of Testing Memory Basic Research and Implications for Educational Practice
https://www.researchgate.net/publication/237268918_The_Power_of_Testing_Memory_Basic_Research_and_Implications_for_Educational_Practice
テキスト学習において、
① 1回5分の熟読を4回繰り返す(SSSS)
② 3回の熟読と1回の想起を組み合わせる(SSST)
③ 1回の熟読と3回の想起を組み合わせる条件(STTT)
という条件でテストを行いました。
簡単に説明すると、
①はインプット4回 アウトプット0回
②はインプット3回 アウトプット1回
③はインプット1回 アウトプット3回
です。
研究の結果では、1週間後の知識の定着は③が一番効果的だったことが示されています。
想起を多く行った方が記憶の定着においては有効ということです。
研究でのアウトプットとはテストを組み合わせる条件ですが、思い出すというプロセスは同じです。
日常生活に落とし込むと、人に説明するというアウトプット作業が一番やりやすいかなと思います。
人に話すということは、思い出さないと話せませんから、
自然とアウトプット(想起)に繋がります。
ちなみに思い出せなくてもOKです、もう一度インプットすればいいだけですから。
これで定着がめちゃくちゃ早くなります。
ちなみに頭の中で抽象化・具体化できる能力は、大人になってもどんな分野の技術を習得するにも役に立ちます。